2015.12.2 水曜日

寒い日は「和の食材」で、じんわりお風呂

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寒くなってくると、恋しくなるのが「温かいお風呂」。湯船にゆっくり浸かって、のんびりと疲れを癒したいものですね。そんな時は温浴効果を高める薬湯風呂がおすすめ。漢方薬でなくても、日常的に食べている、なじみ深い「和の食材」が入浴剤になるんです。王道の柚子を手始めに、いろいろご紹介しましょう。

  • 柚子

やはり「お風呂に入れる」となれば、筆頭に上がるのが柚子。古くから「冬至の日にゆず湯に入ると1年中風邪をひかない」という言い伝えがあり、爽やかな香りを毎年楽しみにしている人も多いでしょう。
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体を温める薬効成分が含まれるのは、主に皮。精油に含まれる「シトラール」「リモネン」などの成分に血行・新陳代謝を促進する効果があると考えられています。さらに「リモネン」が肌の上に薄い膜を作り、湯冷めしにくい効果があるとも。その他、果汁に含まれるビタミンCには美白効果、クエン酸には新陳代謝の効果があり、種の周りのペクチンには保湿効果があります。
なので、“丸ごとドボン”という方も多いかと思いますが、柚子の効果を丸ごと享受できるよう、できればスライスまたは四つ切りにするのがおすすめ。細かなゴミが気になる人は、不織布などの袋に入れて浴槽に入れるとよいでしょう。
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なお、昔の人は爽やかな香りに邪気を払う効果があると考え、柚子湯に入ることで冬から春になる、または不運期から幸運期になることを願ったと言います。その際に唱えるのが「一陽来復(いちようらいふく)」。いい香りに包まれながら唱えれば、ご利益があるかもしれませんよ。
なお、同じ柑橘類のみかんやレモンにも、ほぼ同様の薬効があります。特にみかんの皮を乾燥させた「陳皮」は漢方薬としても珍重されるほど。好きな香りの柑橘類で試してみるとよいでしょう。
 

  • しょうが

 
「ぽかぽか」といえば、やっぱり「しょうが」。生しょうがなら1〜2片を刻んだり、すり下ろしたりしてお茶パックなどに入れ、そのまま湯船に入れます。ぽかぽかのヒミツは、しょうがに含まれる「ショウガオール」と「ジンゲロール」。いずれも肌の細胞を直接刺激して血行を良くし、体を温めます。
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なお「ジンゲロール」には、高い殺菌効果で肌を清浄にする効果がありますが、やや肌への刺激が強く、人によってはぴりぴりすることも。また温浴効果としては「ショウガオール」に軍配が上がります。なので、冬は「乾燥しょうが」をお風呂に入れるのがおすすめ。
 
というのも、「ジンゲロール」は加熱・乾燥によって「ショウガオール」に変化する性質を持っています。つまり、干すことによってジンゲロールを減らし、温浴効果の高い「ショウガオール」を増やすことができるというわけです。
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薄くスライスするか、刻むかして乾燥させ、こちらもお茶パックなどに入れてお風呂に入れましょう。天日干しがベターですが、オーブンや電子レンジでも作れます。生のものより肌当りがいいので、少し多めに入れても大丈夫です。
 

  • 大根の葉

 
葉っぱ付きの大根を入手したら、ぜひとも試していただきたいのが「干葉湯」。大根の葉を2株ほど干して、水、自然塩を鍋に入れ、濃い茶色になるまで煎じたものを用いて入浴します。マクロビオティックなどでは「44〜45度の高めの湯温で、20〜30分の腰湯を毎日夜寝る前に行うこと」を推奨していますが、民間療法では入浴剤としていれるだけでも温浴効果があるとされています。
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大根の葉を干したものをざく切りにして塩とともに不織布の袋に入れて浴槽に入れます。ただし、高めの湯温でないと薬効成分が溶け出さないので、あらかじめお湯で煮出しておく方がおすすめです。それをお風呂に入れて入浴します。
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匂いが気になる方は、柚子や下で紹介するみかんの皮を干したものを一緒に入れてもよいでしょう。
 
どれも簡単に手に入るものばかり。ぜひ、冬のお風呂を楽しむために、試してみてはいかがでしょうか。
 
オルガナ編集部