2016.02.18

ロシア人も蕎麦が好き!蕎麦の実の料理「カーシャ」とアレンジレシピ

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日本人にとって「蕎麦」は麺として食べるイメージが強いもの。

蕎麦独特の香りと喉越しは和食文化を語る上で欠かせないものです。

 

荒地で育ち耕作期間が短い蕎麦は、世界中の食文化でも重要な役割を果たしています。

日本国内で見かける海外の蕎麦レシピでメジャーなものは、フランスのクレープ生地「ガレット」でしょうか。

 

その他に、日本ではあまり知られていない蕎麦のレシピがあります。

ロシアのお粥や雑炊に当たる「カーシャ」という料理で、朝食や肉料理の付け合わせなどの定番。

なんとロシアは蕎麦消費量世界一なのです。

 

ロシアから東欧、黒海沿岸地域の伝統食に蕎麦は欠かせません。

日本で苦蕎麦の異名を持つ韃靼(だったん)蕎麦の「韃靼」は、かつてモンゴルから東ヨーロッパを制覇した民族「タタール」が語源であることからも、地域との関わりがわかります。

 

ロシア料理といえばボルシチやピロシキなど、普段の食卓で作るにはちょっと一手間かかるイメージがあります。

でも蕎麦の実のレシピは驚くほど簡単。

手軽に蕎麦の栄養を丸ごと摂れるカーシャの作り方をご紹介します。

 

一般のスーパーでは蕎麦の実を見かけることはあまりありませんが、雑穀を扱っている自然食料品店や通販で簡単に手に入ります。「そば米」という商品名で販売されていることが多いです。

 

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蕎麦の実は淡い緑色ですが、陽に当たったり、収穫から時間が経つと茶色に変化します。

色が変わっても品質に影響はありません。

  •  カーシャのつくりかた

調理の基本は、煎ってから煮る、それだけ。

①     まず、鍋で乾煎りします。(その際、高温調理で有害物質が気化すると言われるフッ素加工(テフロン)の調理器具の使用は避けましょう。どうしても使用する場合は必ず換気扇をつけて・・・)

②     パチパチとはぜる音がしたら火を止めます。

そのまま味見してみてください。軽い食感で香ばしく、シリアルやグラノーラとしても使えます。

③鍋に水を入れて煮ます。分量は蕎麦の実:水=2:5が目安です。

 

<カーシャの味付け>

カーシャには2種類の味付けがあります。

塩味のお惣菜は日本人にも容易に想像がつきますが、ロシアや諸外国で人気の味はなんと砂糖を加えるもので、人気の朝食メニューです。

現地では牛乳で煮たり、甘味に蜂蜜やフルーツジャムを使うことが多いようです。

蕎麦を甘くする、というのは日本人にはちょっと抵抗があるかもしれませんが、まずは敢えて日本の調味料を使った味付けでご紹介しましょう。

 

塩味に塩麹、甘味に喜界島の黒糖を使います。

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①     塩味は蕎麦の実1カップに対し塩麹小さじ1〜1.5、甘さは黒糖2欠けが目安です。

②     塩麹と黒糖を加えて中火で煮ること15分ほど、煮汁にとろみが出始めます。

この後で煮詰めるにつれて焦付きやすくなるので、煮汁が無くなるまでの間は時々ヘラでかき混ぜましょう。この間、台所は蕎麦の香ばしい香りが漂います。

③     水気が飛んで、もったりとした塊がヘラですくえるようになったら味見をして、芯がなければ出来上がりです。

 

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さて、どのように仕上がるかというと、意外なことに日本人に馴染み深いお汁粉のような懐かしい味となります。

とろりとした食感と香ばしさ、ほんのり感じる塩気と黒糖の豊富なミネラルの味わいが全てマッチして、新感覚の和菓子のようです。

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  •  主菜の付け合わせとして愛されている食べ方

今回は牛肉の代わりに「たかきび(高黍)」を使いました。

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左が蕎麦の実、右がたかきび、サイズが分かりやすいように下が白米です。

蕎麦の実とたかきびは粒の大きさがほとんど同じため、食感に違和感がなく美味しくいただけます。
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半日ほど水につけて戻しておけば、蕎麦の実と同じ煮方で火が通ります。

ちなみにたかきびは、色合いとしっかりした風味が赤身肉に似ていることから、引き肉の代用品として「ミートミレット」という異名があります。ビタミン・ミネラルが豊富で、人類が肉食を減らしてたかきびに切り替えたとしたら、健康と自然環境改善に劇的な効果が期待できるという研究があるほどです。

① 蕎麦の実、水、塩麹の分量は上記のままで水気が少なくなるまで煮ます。

② 玉ねぎのみじん切り、ニンニク片、牛肉ひき肉と一緒に炒めます。

③ 材料を全部炒めたら、コショウで味を整え、最後にバターを溶かして和えます。

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付け合わせとしてはもちろんですが、メインディッシュとしても通用する食べ応えのカーシャが完成です。

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もし何の説明もなくこの料理を食べたとしたら、二人に一人は肉料理と思うのではないでしょうか。それ位のコクとボリュームがあり、しかも満足感は十分・・・。

 

  •  最後にヘルシーなアレンジレシピ

 

冬の間においしいものを食べ過ぎて、そろそろ春に向けてダイエットを意識し始めた…、そんな方にぴったりのサラダです。

 

上記レシピと同じ要領で蕎麦の実を煮ておきます。

そのままではとろみが強いので、お好みのオイルをひと滴らししてかき混ぜ、粒をほぐしておきます。

そこにキヌアなどの雑穀や、ひよこ豆、赤インゲン豆などサラダに向いている豆類を和えます。

さらに混ぜ込む材料のお勧めは、茹でたカリフラワーを細かくした「カリフラワーライス」。

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カリフラワーのみずみずしい甘さがとても良く合います。

 

あとはお好みの野菜と一緒に盛り付けて出来上がり。

少量で満腹になる上に、ミネラルやポリフェノールがたくさん摂れます。

 

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ちなみに、日本では徳島県内で蕎麦の実を使った雑炊が郷土食としてあるそうです。

 

使い方で洋食にも和食にも変身する蕎麦の実。

ぜひ普段使いの食材として取り入れてみてくださいね。

 

この記事を書いたORGANAキュレーター

伊藤隆子
伊藤隆子
アンチエイジングフードマイスター・アドバンス。
東京で生まれ育ち、神奈川の逗子海岸で30歳代を過ごし、40歳代半ばで長野県最南端の売木村(うるぎむら)へIターン。海抜0mから900m地点へ生活の場を移す。「長野県で2番目に人口が少ない村」より日本の山里・里山についての情報発信を行う。
デザイナーから自然食品メーカーへ転職し、食品商品開発や卸業務を担当した経験を活かして、売木村の特産品生産などに取り組んでいる。
日本アンチエイジングフード協会HP内の紹介記事:https://anti-agingfood.com/871/
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