2016.04.04

【知っておきたい本当の食知識】正しく油、使えてますか?

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カラダによい油といえば、オメガ3といわれる亜麻仁オイルやえごまオイルなどを挙げる方は多いのでは?これまで栄養学的には全般的に悪者だった油ですが、ここにきて「油は悪者ではない!」と言われています。

ほんとは大事な油の力

油は本来、脳を動かすエネルギーであり、胃腸の消化器系をうまく動かし、免疫バランスも整え、カラダ全体のエネルギーの元となる重要な要素なのです。
これまでコレステロール値をあげ、悪玉コレステロールをあげる元凶とされてきましたが、最近の研究では、これらの認識は間違いであったことが証明されています。
その原因は、現代日本における管理栄養学の基礎となったアメリカの栄養学会が推奨してきた食バランス炭水化物6:油脂類3のバランス。実はこのバランスこそが、認知症や糖尿病の原因となっていることがわかってきました。もっとも重要なのは、油を完全排除することではなく、それらのバランスであるということがわかってきたのです。理想的な割合は油の比率を60-70%にして炭水化物の比率を減らすこと。油脂類でそんなに?と思われるかもしれませんが、大丈夫。その中には、ほうれん草や春菊などの野菜、白インゲンなどの豆類、お肉や青魚に含まれる油も含まれます。

太るのは油のせいではなく炭水化物のせい・・・

私たちの体内には実は、油がたくさん入ってくると、逆に脂肪が作られないように働く仕組みがあります。では、なぜ油ものをたべると太るのでしょうか?
それは内臓や血管、カラダについた脂肪をつくっているのは「炭水化物」つまり糖質だからです。油抜きをすると、満足感を得られずどうしても炭水化物を多くとってしまいます。炭水化物がたくさん体内に入ってきたとき、肝臓はフル稼働で脂肪をつくろうとする仕組みがあります。逆に油が体内に増えすぎると、肝臓は脂肪をつくらなくなります。そのため、油を抜いた食事で太ったという現象が起こり、さらには糖尿病にもなりやすくなってしまうのです。

油を抜いたら取れなくなるビタミンがある

油はビタミンの吸収などにも役に立っています。
例えばビタミンDは骨を丈夫にするカルシウムの吸収には必須のビタミンですが、ビタミンDは水には溶けず油に溶ける性質があり、ビタミンDを取るときには油も食べないとカルシウムはおろかビタミンDも吸収できなくなっています。つまり、食べ物や栄養素は単体でとればよいというものではなく、複合的にいろいろな種類の食べ合わせをして、はじめて本来の栄養素が人間のカラダにとって有益になるという仕組みになっています。
「油抜きダイエットをしたら、お肌がカサカサになってきた」という話をよく聞きますが、これは必要な油が細胞に届いていない証拠。お肌のうるおいは皮膚の細胞を保護する油の作用です。いくら化粧品で外側からごまかそうとしても、油が届かない細胞は死んでいってしまうため、キメは荒れ、しわやしみができてきます。同じことが体内でも起こっているのです。
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油の種類

油は「脂肪酸」という成分で「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」にわけることができます。
飽和脂肪酸は、一般的に動物性の油といわれ、牛肉、豚肉、鶏肉などの肉類、バター、ラード、チーズ、パームオイル、ココナッツオイルなどに多く含まれています。飽和脂肪酸はさらにバターなどの「短鎖脂肪酸」、ココナツオイルなどの「中鎖脂肪酸」、ラードなどの「長鎖脂肪酸」の三種類に分かれ、性質が異なります。
不飽和脂肪酸は植物性の油といわれ、サラダ油やコーン油、オリーブオイルなどにも含まれ、さばや味などの青魚やサーモンなどにも豊富に含まれます。不飽和脂肪酸も性質によって、オリーブオイルや菜種油などの一価不飽和脂肪酸と呼ばれる「オメガ9」、多価不飽和脂肪酸の中でもオメガ6に分類されるサラダ油、コーン油、大豆油、サフラワー油、ごま油と、オメガ3に分類される亜麻仁油、えごま油、まぐろやサーモン、青魚の油よくいわれるEPA、DHAの二つに分類されます。
しかし、気を付けなくてはいけないのが、これらの分類は、成分の中で最も多い成分による分類であり、どの油も一つの成分100%ではないという点です。例えば亜麻仁油ですが、大きくはオメガ3にカテゴライズされていますが、飽和脂肪酸もオメガ6のリノール酸も、オメガ9である一価不飽和脂肪酸も含んでいます。
油脂類といってもそれらにはさまざまな種類の油があり、健康に寄与するいい油の成分と、体内に炎症を起こし万病の元となるわるい油の成分があります。それぞれにいろんな性質をもち、メリットデメリットもあるので、どれを取ったらよいというわけではなく、あくまでもその割合が重要なのです。

取りすぎている油

朝はパン、昼はコンビニ、夜は外食・・・そんな生活をしているとかならず取りすぎてしまっている油があります。それがオメガ6郡と呼ばれる油です。オメガ6の油とは、いわゆるサラダオイルやコーン油、大豆油など。オメガ6自体は体内で作ることができない成分の必須脂肪酸の一つでもあり、細胞膜の維持や血圧、免疫機能の調整や学習能力の向上など様々なカラダの働きに必要なものです。しかし、あまりにも外食やお惣菜、家庭内でも多用されているために、過剰摂取が常態になってしまっているのが現代の日本人なのです。

オメガ6が体内で変わる物質は増えすぎると様々な炎症を起こし、アトピー性皮膚炎、喘息、心筋梗塞や脳梗塞、うつや認知症などの原因になるという報告もあります。
必要な成分ではあるけれど、取りすぎている現状を顧みると、むしろ意識して控えて、よい油でバランスする必要があるわけです。
カラダには不思議な機能があり、必要な栄養素のバランスを取るために「火消し」の作用をもっています。オメガ6をおさえるのはオメガ3の油。亜麻仁油やえごま油、サーモンやインゲン豆や葉物野菜にも含まれています。本来オメガ6とオメガ3の比率は1:(対)1が理想的ですが、アメリカでは1:17。平均的な日本人でも1:5と言われています。外食の多い人は積極的にオメガ3を採るべきなのです。

最も危ない「食べるプラスチック」
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油脂類で今すぐやめなければいけないのはマーガリンやショートニングなどの植物性油脂と表示されている成分です。

マーガリンは植物油からつくられていますが、植物油は動物油に比べ固まりにくいので、加工しやすいよう水素が添加され、「トランス脂肪酸」が生じやすくなっています。
WHOは2003年にトランス脂肪酸が心臓病のリスクとの関連性が強いことから摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満にするよう勧告しました。それをうけて諸外国ではトランス脂肪酸に対して使用規制がすでに始まっています。トランス脂肪酸は別名「食べるプラスチック」ともいわれ、アメリカ食品医薬品局(FDA)でもすでに原則禁止。フライドポテトやフライドチキンなどの揚げ物の油として使用していた米国のファストフードチェーンもなるべくトランス脂肪酸を含まない油を使うようになっています。トランス脂肪酸は、LDLコレステロールの増加とHDLコレステロールの減少を促し、過剰摂取により冠動脈性心疾患の発症リスクを高めると報告されています。長年日本で信じられていた「動物性バターより植物性マーガリンのほうが健康的」という根拠はなくなったのです。
また、コンビニなどで売っているパンやスナックの食品表示を見るとほぼ全部に植物性油脂、ショートニング、マーガリンという記述があり、気を付けて選ばないと、すべてトランス脂肪酸入りの食品だったというのが今の日本の現状です。まず、最初に避けるべき油脂成分は「トランス脂肪酸」といっても過言ではありません。

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いかがでしたか?あなたのキッチンにある油は大丈夫でしたか?
選び方、食べ方によって、カラダの機能に欠かせない成分となっている油。
加熱して使うならオリーブオイルなど安定性の高いオメガ9の油を。
ドレッシングにはオメガ3の油を。
そして、いずれも無農薬で低温圧搾の遮光瓶入りの安心できるオーガニックの油を選び、
正しいバランスでの摂取を心がけ、毎日を元気に過ごしましょう♪

この記事を書いたORGANAキュレーター

唐澤佐千子
唐澤佐千子オルガナ編集長
アンチエイジングフードマイスターリーダー。
雑誌・広告のスタイリスト・エディター〜公益法人理事を経て、オーガニックで丁寧な暮らしを提案するwebマガジンORGANA編集長。
高2DK、黒ラブ娘10歳、パートナーと二世帯暮らし。陶芸、ナンタケットバスケット、カルトナージュ、グルーデコなど手仕事大好き♪ヨット、ゴルフ、テニス、スキーはお付き合い程度な体育会系。
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