ロシア人も蕎麦が好き!蕎麦の実の料理「カーシャ」とアレンジレシピ

日本人にとって「蕎麦」は麺として食べるイメージが強いもの。

蕎麦独特の香りと喉越しは和食文化を語る上で欠かせないものです。

 

荒地で育ち耕作期間が短い蕎麦は、世界中の食文化でも重要な役割を果たしています。

日本国内で見かける海外の蕎麦レシピでメジャーなものは、フランスのクレープ生地「ガレット」でしょうか。

 

その他に、日本ではあまり知られていない蕎麦のレシピがあります。

ロシアのお粥や雑炊に当たる「カーシャ」という料理で、朝食や肉料理の付け合わせなどの定番。

なんとロシアは蕎麦消費量世界一なのです。

 

ロシアから東欧、黒海沿岸地域の伝統食に蕎麦は欠かせません。

日本で苦蕎麦の異名を持つ韃靼(だったん)蕎麦の「韃靼」は、かつてモンゴルから東ヨーロッパを制覇した民族「タタール」が語源であることからも、地域との関わりがわかります。

 

ロシア料理といえばボルシチやピロシキなど、普段の食卓で作るにはちょっと一手間かかるイメージがあります。

でも蕎麦の実のレシピは驚くほど簡単。

手軽に蕎麦の栄養を丸ごと摂れるカーシャの作り方をご紹介します。

 

一般のスーパーでは蕎麦の実を見かけることはあまりありませんが、雑穀を扱っている自然食料品店や通販で簡単に手に入ります。「そば米」という商品名で販売されていることが多いです。

 

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蕎麦の実は淡い緑色ですが、陽に当たったり、収穫から時間が経つと茶色に変化します。

色が変わっても品質に影響はありません。

  •  カーシャのつくりかた

調理の基本は、煎ってから煮る、それだけ。

①     まず、鍋で乾煎りします。(その際、高温調理で有害物質が気化すると言われるフッ素加工(テフロン)の調理器具の使用は避けましょう。どうしても使用する場合は必ず換気扇をつけて・・・)

②     パチパチとはぜる音がしたら火を止めます。

そのまま味見してみてください。軽い食感で香ばしく、シリアルやグラノーラとしても使えます。

③鍋に水を入れて煮ます。分量は蕎麦の実:水=2:5が目安です。

 

<カーシャの味付け>

カーシャには2種類の味付けがあります。

塩味のお惣菜は日本人にも容易に想像がつきますが、ロシアや諸外国で人気の味はなんと砂糖を加えるもので、人気の朝食メニューです。

現地では牛乳で煮たり、甘味に蜂蜜やフルーツジャムを使うことが多いようです。

蕎麦を甘くする、というのは日本人にはちょっと抵抗があるかもしれませんが、まずは敢えて日本の調味料を使った味付けでご紹介しましょう。

 

塩味に塩麹、甘味に喜界島の黒糖を使います。

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①     塩味は蕎麦の実1カップに対し塩麹小さじ1〜1.5、甘さは黒糖2欠けが目安です。

②     塩麹と黒糖を加えて中火で煮ること15分ほど、煮汁にとろみが出始めます。

この後で煮詰めるにつれて焦付きやすくなるので、煮汁が無くなるまでの間は時々ヘラでかき混ぜましょう。この間、台所は蕎麦の香ばしい香りが漂います。

③     水気が飛んで、もったりとした塊がヘラですくえるようになったら味見をして、芯がなければ出来上がりです。

 

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さて、どのように仕上がるかというと、意外なことに日本人に馴染み深いお汁粉のような懐かしい味となります。

とろりとした食感と香ばしさ、ほんのり感じる塩気と黒糖の豊富なミネラルの味わいが全てマッチして、新感覚の和菓子のようです。

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  •  主菜の付け合わせとして愛されている食べ方

今回は牛肉の代わりに「たかきび(高黍)」を使いました。

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左が蕎麦の実、右がたかきび、サイズが分かりやすいように下が白米です。

蕎麦の実とたかきびは粒の大きさがほとんど同じため、食感に違和感がなく美味しくいただけます。
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半日ほど水につけて戻しておけば、蕎麦の実と同じ煮方で火が通ります。

ちなみにたかきびは、色合いとしっかりした風味が赤身肉に似ていることから、引き肉の代用品として「ミートミレット」という異名があります。ビタミン・ミネラルが豊富で、人類が肉食を減らしてたかきびに切り替えたとしたら、健康と自然環境改善に劇的な効果が期待できるという研究があるほどです。

① 蕎麦の実、水、塩麹の分量は上記のままで水気が少なくなるまで煮ます。

② 玉ねぎのみじん切り、ニンニク片、牛肉ひき肉と一緒に炒めます。

③ 材料を全部炒めたら、コショウで味を整え、最後にバターを溶かして和えます。

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付け合わせとしてはもちろんですが、メインディッシュとしても通用する食べ応えのカーシャが完成です。

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もし何の説明もなくこの料理を食べたとしたら、二人に一人は肉料理と思うのではないでしょうか。それ位のコクとボリュームがあり、しかも満足感は十分・・・。

 

  •  最後にヘルシーなアレンジレシピ

 

冬の間においしいものを食べ過ぎて、そろそろ春に向けてダイエットを意識し始めた…、そんな方にぴったりのサラダです。

 

上記レシピと同じ要領で蕎麦の実を煮ておきます。

そのままではとろみが強いので、お好みのオイルをひと滴らししてかき混ぜ、粒をほぐしておきます。

そこにキヌアなどの雑穀や、ひよこ豆、赤インゲン豆などサラダに向いている豆類を和えます。

さらに混ぜ込む材料のお勧めは、茹でたカリフラワーを細かくした「カリフラワーライス」。

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カリフラワーのみずみずしい甘さがとても良く合います。

 

あとはお好みの野菜と一緒に盛り付けて出来上がり。

少量で満腹になる上に、ミネラルやポリフェノールがたくさん摂れます。

 

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ちなみに、日本では徳島県内で蕎麦の実を使った雑炊が郷土食としてあるそうです。

 

使い方で洋食にも和食にも変身する蕎麦の実。

ぜひ普段使いの食材として取り入れてみてくださいね。

 

【美味しい所を捨てないで!「あと一品」レシピ】大根の皮

寒風の中を帰路につき、夕飯にほっこりアツアツの大根料理を頂く・・・この季節の楽しみですね。
甘みがある冬大根の定番料理はやはり、分厚く切って出汁がじっくり染みるまで煮たレシピ。
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でも、このような料理の際に必ず生ゴミとして出る大根の皮。
メインの根の部分と食感が違うので、どうしても剥く必要がありますが、捨てるのは待ってください!

大根の皮には、いくつかの栄養素がしっかりと含まれています。
ガン抑制酵素として知られる辛み成分のミロシナーゼ。
ビタミンC。
さらにはビタミンCの吸収を助け毛細血管を丈夫にするビタミンP。
根菜類は、防菌や防虫・外傷を治す作用・抗酸化作用がある栄養素を皮に集めて身を守り、分厚くすることで内部の水分を閉じ込めます。
そんな生命力に満ちた皮を使って、小鉢やお弁当総菜などに重宝する「あと一品」を手軽に作ってみましょう。
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コツは短冊切りにすること。
これだけで歯ごたえのある調理しやすい食材へ変身します。

■お漬け物なら非加熱で栄養まるごと!

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ぬか床をお持ちの方に試していただきたい「大根皮のぬか漬け」。
皮を剥いた長いままの状態で漬けて、食べる分だけ短冊切りにしましょう。
シャキシャキとした食感がたまりません。
大根とは違う野菜で作ったぬか漬けのようにすら感じます。

手早く作る浅漬けなら、ゆずとの相性が抜群。
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柑橘類にも前述のビタミンPが含まれますので積極的に取り入れてみてください。
ゆず皮と一緒に塩揉みしておくも良し。
筆者が一番好きな食べ方は、小さじ一杯のだし汁に柚子胡椒を溶かしてから大根皮をもみ込む浅漬けです。
調理時間1分もかからずに、ご飯のお供からお酒のつまみまで美味しくいただける一品へ早変わりです。

■お惣菜の定番、きんぴらに最適!

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大根皮のシャキシャキ感は炒めても損なわれません。
ごぼうなど定番のきんぴらを作る際と同じ手順で簡単にできます。
大根の煮物を作る際にどうしても出る面取り後のクズも一緒に調理してみてください。
にんじんやレンコンなど大根以外の根菜類を調理する際に皮を保存しておき、ある程度の量になったら一気に調理して常備菜にしておくと便利です。

■切り干し大根として保存

大根を一本まるごと買って、カットしてから冷凍保存される方も多いかと思います。
その際には剝いた皮が大量に出ますので、乾物にして保存しましょう。
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切り干し大根と言えば甘めの味付けにした煮物が定番ですが、水で戻す際に旨味成分や栄養素が戻し汁へ大量に出て行ってしまいます。
水は捨てずに煮汁として使いましょう!
また、調味液で戻しておけば水気をぎゅっと絞る手間も無く使えます。
だし汁、酢、醤油でシンプルな和風ドレッシングを作り、そこへ切り干し大根皮と塩昆布を入れてしばらく置きます。
あとはキャベツの千切りなどの野菜と和えてサラダに。
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風味付けに胡麻油を一垂らしするのもお勧めです。
合わせる野菜は、大根皮のシャキシャキ食感と相性が良いものを選びましょうね。

アイディア次第で様々な料理へ七変化する大根の皮。
簡単時短メニューにうってつけです。
皮まで美味しく安全にいただく野菜は、やはり無農薬や自然栽培のものをお勧めします。
土の力だけで育ったどこも捨てるところのない、生命力の詰まった野菜です。
この冬はぜひ、生ゴミを減らして一品を増やす、そんな料理を楽しんでみてください!

 

written by 伊藤隆子(オルガナ編集部・アンチエイジングフードマイスター)

香港オーガニック事情~その2

食の問題で何かと話題に上る中国。

中国の特別行政区である香港で暮らす人々は食についてどのような意識を持っているのか、

その1でレポートさせていただきました。

<香港オーガニック事情~その1>

 

中国で起きる様々な食の問題を反面教師として、かえって香港人には高い意識が芽生え、生活に根付いたようです。

その事情が観光客にもわかる店舗が、オーガニック小売店「Green DotDot」。

人々が行き交う地下鉄駅地下街に多数展開しているお店です。

店頭には有機栽培の生鮮品が並び、店舗内には有機輸入品はもちろん「Green DotDot」のプライベートブランド商品が所狭しとならんでいます。

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雑穀の粉類や薬膳用の食材など、日本ではなかなか手に入りづらいものが多く、料理が好きな人なら時間が経つのを忘れてしまいそうです。

travel16お買い物の際には、当然ながらエコバッグ持参であることが前提。

持っていない場合は袋代を払います。

 

 

 

 

 

さて、いろいろと目移りしつつも、お土産になりそうな商品をいくつか選んでみました。

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実際に試してみた感想をレポしたいと思います。

 

まずはフリーズドライの大麦かゆ。

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■鶏肉&長芋

有機大麦フレーク、玄麦フレーク、鶏肉、椎茸、長芋、海塩、人参、青ネギ、二酸化ケイ素、白胡椒

 

■豆腐&椎茸

有機大麦フレーク、玄麦フレーク、椎茸、豆腐、海塩、人参、キャベツ、青ネギ、海藻、二酸化ケイ素、白胡椒

 

添加物として「anticaking agent」(固化防止剤=粉状製品の固化を防ぐ)を使用していますね。

551は二酸化ケイ素であり、基本的には人体には吸収されないと言われています。

 

お湯にすぐ馴染み、待ち時間無しで食べられる状態になります。

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鶏肉&長芋を最初に食べた感想は「塩気が少ない!」でした。

海塩は入っていますが、日本の類似商品と比べると圧倒的に塩気が無いです。

大麦と玄麦の香ばしい風味はしっかり残っています。

噛みごたえもありますね。

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豆腐&椎茸は、かなりの「椎茸の匂い」です。

こちらは椎茸が好きかどうかで好みが分かれるでしょう。

個人的には好きな風味でした。

こちらも塩分は殆どわからない味付けなのですが、

椎茸の味と香りで「しっかり食べた」感じがします。

 

日本に限らないかもしれませんが、

加工食品は、塩と砂糖を使い過ぎなのだなぁ、と実感されられました。

 

 

次は、五行思想(自然界は木、火、土、金、水が巡ることで成り立っている)

に基づいた顆粒の野菜スープ。

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内容は、大根、赤かぶ(ラディッシュ)、大根葉、ごぼう、キノコ(及香菇は主に椎茸を指すようです)。

塩などの調味料は一切入っていないので、スープというよりもソルトフリーブイヨンという方が正確かもしれません。

 

飲んでみた感想は、ごぼうと椎茸の香りが強いので和風コンソメといったところ。

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これは煮物や炒め物の隠し味などにも使えそう。

ダマにならずにサッとお湯に溶けるので、どんな料理にも気軽に重宝しそうです。

お好みで胡椒を効かせたり、胡麻油を垂らして香り付けすれば

塩無しでも美味しいスープになりそうです。

 

 

最後はお茶2種。

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買ったときはてっきりティーパックなのかと思っていましたが…、

こちらも顆粒の商品でした。

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まずは牛蒡茶から。

内容はゴボウ、赤棗(いわゆるナツメヤシはヤシ科、棗はクロウメモドキ科で違う植物です)、

クコの実、コーンスターチ。

コーンスターチが気になりますが、このような企業ではGMOフリーと思いたいですね。

飲んだ感想は「がっつりゴボウ」です(笑。

とても土臭いのですが、正直なところ、ちょっとハマりました…。

飲んだあとの身体の温まり方がすごいです。根菜の実力といったところでしょうか。

 

続いて、赤棗とロンガン(リュウガン、竜眼、龍眼)のお茶。

これは…、とにかく甘い…。まさにデザート代わり。

内容にも筆頭に「糖」が書いてあります。

 

ロンガンは私の大好物で、アジアへ旅行した際の楽しみだったりします。

このお茶は甘さのなかにロンガンの華やかな香りがあり、赤棗の色も美しいし、

ゼリーにしたら美味しいのではないかと思います。

 

以上、リアルな「Green DotDot」製品レポでした。

 

フライト時間が短く時差1時間の香港。

格安航空券LCCも身近なものとなり、ますます旅行しやすいスポットとなりました。

美食や美容スポットがメインの観光地ですが、オーガニックな視点で廻るのも楽しいかもしれませんね。

もし旅行される機会がありましたら、ご参考になさってください。

 

■Green DotDot

http://www.greendotdot.com/

(英語サイトが選べます)

 

ライター Lucy

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香港オーガニック事情~その1

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世界金融の中心地として知られる香港。

中国の特別行政区であり、大陸の都市部とは異なった歴史と文化があります。

住んでいる人々も、自分は中国人ではなく「香港人」であるという自覚が強いようです。

しかし、やはり中国の一部である以上、食に関してネガティブなニュースが続く中国からの影響はあるのでしょうか。

 

香港の都市部で子育て中の日本人女性からリアルなお話を伺いつつ、今の香港の食事情を取材してきました。

 

「毒菜(ドッチョイ)」(中国本土の表記は問題菜)

なんともショッキングな字面ですが、中国にて高濃度の違法農薬をかけられた野菜をこのように呼ぶのだそうです。

中国文化には野菜を洗う習慣がないため中毒患者が出るので、毒菜対策の野菜洗浄洗剤が売り出されたそうです。

正直なところ、現地ではこの手のニュースは聞き飽きている、といった雰囲気とのこと。

 

また、世界中の企業が香港をビッグマーケットとして捉えており、それこそ様々な商品が流れ込んできます。

そのため消費者には「自分で調べ、自分で選ぶ」という意識が根づいています。

 

子育て中のお母さん達は、子供に食べさせる食品には非常に高い関心があり、価格が高くてもオーガニック食材を選びます。

香港の2大スーパーマーケットチェーンである「Market Place」へ連れて行ってもらいました。

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売り場を一通り回った印象としては、日本人の大手スーパーよりも有機認証食品が多いかもしれません。

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特に卵や乳製品に関しては、選択肢が非常に多いと感じました。

 

今回入ったスーパーは商業地区の真ん中であったために売り場や商品ラインナップは小規模で、郊外や住宅地にある大型店舗では更に有機食品を選びやすいそうです。

有機生鮮品のコーナーが大きく設けられ、特にオーガニック認証の肉製品がとても多いという話が印象的でした。

 

また昨今では、農作物を中国に頼らず、香港の地で、有機農法で生産しようという流れがあるそうです。

香港の象徴的な風景は、高層ビル群や小さく古い建物がギュウ詰めに建てられた町並みですが、郊外には濃い緑の山並みが連なり、豊かな自然が広がっています。

この土地が化学農薬肥料に汚されることなく活用されていくのは、とても嬉しいことですよね。

 

 

漢方医学の流れを汲んだ考え方が浸透しているので、子育てに限らず健康全般に関しては「病気は食で予防」「『毒菜』は正しい食でデトックス」。

女性の美容は「食によって内側から美しくなる」という意識が強いそうです。

たとえば、お肌の調子がいまいちな時は、肌と関連のある肺を清浄にしてくれるスープを飲む、など…。

マーケットもこの傾向に反応して、薬膳スープや野菜ジュースを手軽に買えるチェーン店があります。

地下鉄の駅通路や街角など、まるでキオスクやコンビニ感覚で利用できます。

 

「鴻福堂-自家湯涼茶坊」

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駅地下やショッピングモールで買えるこの手軽さ…、うらやましくなってしまいました。

 

さらにもう一つ、お話を伺いながらとてもうらやましい!と思ったことは、オーガニック食品のみ販売する専門小売店がチェーン展開しており、こちらもまるでコンビニ感覚で利用できます。

「ちょっとお高いけど…確実に安全なものだから」とのこと。

 

もしかしたら、食に関する意識は日本より高いのでは?と感じた瞬間でした。

 

そんな便利なショップ、気になりますよね?

次回の記事では、香港では有名なオーガニック小売店「Green DotDot」と、香港旅行土産にもぴったりで手頃なオリジナル商品をご紹介します!

ライター Lucy

次なるスーパーフード『カニワ』徹底解説&カニワのアレンジレシピ♪

 

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カニワ
KANIWA
聞き慣れない単語ですよね。

2013年に、アンデス地方で数千年前から食されてきた穀物「キヌア」が
食料危機の重要な解決手段になる可能性があるとして
「キヌア国際年」が制定されました。

そのキヌアと同じく南米で育つ「アカザ科」(ほうれん草などと同種)の
穀物である「カニワ」が、最近注目を浴びています。

日本では、自然食品を扱う小売店やネット通販などで購入することができます。
美しい褐色や小豆色など色とりどりの小さな粒です。

他の穀物とサイズ比較してみました。

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真ん中がカニワ。
一番上から時計回りに、米、黒米。押麦、きび、キヌア、アマランサス。
その小ささがわかっていただけたかと思います。

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さて、同じ産地で育つ同じ科の穀物キヌアとは何が違うのか?
気になりますよね。

栄養価はキヌアと似ています。
米や小麦と比べて高タンパク質であり、
食物繊維、鉄分、カルシウムが豊富に含まれています。
これは特に女性には嬉しい栄養素ですね。
グルテンフリーなので、麦にアレルギーがある方にとって
注目すべき食材です。

普段、キヌアを使っている方にとっては、
そんなに小さい粒だと下洗いや下茹での湯こぼしが面倒…と
感じるかと思います。
キヌアは目の細かいザルを使えますが、
カニワは茶こしでなければ目を通ってしまいますので。

そこで、キヌアとの最大の違いは、使いやすさ。
成分にサポニンを含んでいないので、丁寧な水洗いが不要です。

サポニンは大豆などにも多く含まれ、天然の界面活性剤とも言われます。
実際、サポニンが特に多い種類のキヌアは
南米の一部では洗剤として使われています。
サポニンを含む食材は十分な水洗いや下茹でを行わないと、
苦みやエグミが強く、摂取量によっては胃腸に負担をかけます。

キヌアでは必ず行うように指導されている水洗いや下茹で
(製品によってはすでに下処理を済ませているものもありますが)を行うと、
サポニンがまるで洗剤のように泡立ちます。
大豆の煮豆を作るときと同じような泡立ち方です。

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同じ処理をしても、カニワには泡がたちません。

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したがって、水洗いなしでも気にせずお料理に使えるのです。
この手軽さは、日々の家事では大事ですよね!

下茹で時間はキヌアと同じ。
15分茹でたあとで2~3分蒸らします。
白いヒゲのような細い根が出て来たら食べごろ、という条件も同じです。

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左がキヌア、右がカニワです。

どちらにもクルンとかわいい根が出ていますね。

まずは味付け無しで、そのまま食べてみました!
…美味しい!!!
正直なところ、キヌアはこの処理時間でも青臭さが残りますが、
カニワは臭みが無く、上品な香ばしさがあり、
味付け無しでもパクパクいけてしまいそうです。
筆者、色々な料理に使うべくたくさん茹でたところを、
うっかりツマミ喰いで大量消費しそうになりました…(苦笑

サポニンが無いのなら、もしかして茹で汁も使えるのかしら?
という好奇心のもと、煮汁を味見してみました。
何かに似ている…
塩や砂糖を加えていない小豆の煮汁に非常に良く似ています。
「ポリフェノール味」とでもいいましょうか。

というわけで、簡単にできる「カニワ活用」料理にチャレンジしました。

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■温野菜サラダにサックリ混ぜて。
どんな野菜でも味の邪魔をせず、プチプチの食感を楽しめます!
【カリフラワーとモロッコインゲン、塩レモン和え】
表題のまま、超シンプルレシピです。
カリフラワーときざんだモロッコインゲンを茹で、
塩レモンとエクストラバージンオイルをふりかけ、
カニワをざっくり混ぜ込んで温サラダに。
大皿料理で振る舞っても、
肉や魚のメインディッシュの付け合わせにも重宝しそうです。

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■煮汁を活用!
中華風トロ味スープと雑穀は相性抜群です。
【四方竹とエノキの簡単中華雑穀スープ】
秋にしか取れない西日本の筍「四方竹」(切面が四角いことから)と、
エノキ(その他キノコならなんでも)を鶏ガラスープで煮込み、
生姜の絞り汁を加えて、酒・味醂・塩で味を整えます。
ここで、雑穀やカニワ、そしてカニワの煮汁も入れます。
味が深まりますよ!
片栗粉でトロみを付けてから火を落とし、香り付けにゴマ油をひとたらし。
筍とエノキのシャキシャキ感と、雑穀のプチプチ感が楽しく、

腹持ち抜群な「食べるスープ」になります。

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香ばしくて美味しいカニワ。
ぜひたくさんの方に試していただきたいです!
今後、徐々に市場に出てくると思われますので、
ぜひチェックしてみてくださいね!

 

ライター Lucy

和食に合う日本のワインとベストマッチな秋の2ディッシュ♪

不耕起草生栽培・減農薬の甲州種ワイン…現存する日本最古のワイナリーレポート(その2)~和食に合う日本のワインとベストマッチな秋の2ディッシュを♪

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「羊と共に育むワイン…現存する日本最古のワイナリーレポート」で

取り上げさせていただいた、まるき葡萄酒株式会社。

工場見学レポに続いてショップの様子と、実際に飲んだ印象などをお届けします。

 

明るいショップ内には多種のワインが整然と並んで

ワイン好きなら目移りして困ってしまいそう…(笑)。

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ワイナリーのアイドル、羊達もディスプレイに花を添えます。

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各ワインにはわかりやすいPOPがついており、

試飲できるものにはマークがついています。

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そして上の段には、超プレミアムワインが並びます。

結婚のお祝いに生まれ年のワインを、といった使い方で人気があるそうで

かなりのお値段にも関わらず在庫稀少品もあるとか。

 

ワイン以外にジュースなどもたくさんありますので

ドライバーの方の休憩にもよさそうです。

あと、こちらのワイナリーには期間限定でブドウの枝でスモークした「たくあん」

『スモークド・タクアン』があるらしく、若い女性2人客が入店して

「ええ~!!今日は無いの!?ショック!!!」

と叫んでおりました…。

よほど美味しいのでしょう…。

無いとなると、俄然興味が湧くのが心情ですね。

次の発売をチェックしてみたいと思います!

 

ショップの奥には、ワイン樽のテーブルが素敵な試飲スペースがあります。

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無料、有料で色々と選べます。

スタッフの方がとても親切に解説してくれますので、

もし迷って選べないならお勧めを、自分の好みがはっきりしているなら、それを伝えてみてくださいね。

 

さて、ワイン棚の前で長時間粘り、様々なタイプのワインを購入してみました。

ワインボトルに描かれているブドウの葉のイラストは、ブドウの品種によってデザインが分けられています。

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どれを最初に空けるべきか悩みましたが、

最近の爽やかな夜の気候に合わせて、

RAISON(レゾン)の白にしました。

不耕起草生栽培、減農薬農法、専用酵母での醸し、低温発酵、オーク樽での熟成。

まさに「まるき葡萄酒の哲学」とも言えるワインです。

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色はかなり淡め・・・。

開けたての一口は、やさしい果実味のあとに、上品な渋みがあります。

おもしろくなるのは20分後あたりから。

フルーティーさが影を潜め、キリっとドライな風味が主張しはじめ、

微発泡を感じさせるような舌触りも出て来ます。

後味の渋みはそのままで、口に残る料理の油分をリセットしてくれます。

 

工場見学時の説明にて、もう一つ教えてもらったまるき葡萄酒の哲学。

「しっかりとしたボディのワイン、これは欧州に適わない。

だから自分たちは、料理の邪魔をせず、心地よい脇役として飲めるワイン、

和食と合わせても楽しめるワインを目指しています。」

その言葉を思い出しながら、このワインに合う料理を準備。

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<みずみずしい鎌倉野菜と秋刀魚のカルパッチョ>

味付けはスダチ果汁とエゴマ油と岩塩。

オメガ3で一躍注目を浴びたエゴマ油ですが、何と言ってもポイントは加熱せずに摂ること。

独特の匂いがあり、買ってみたもののどうやって使おうか…、という方もいるようです。

エゴマは紫蘇の仲間なので、油もフワリと紫蘇の香が漂います。

オリーブオイル替わりに使うとカルパッチョが和の風味になり、

柑橘と紫蘇の香りで青魚の臭みが消えます。

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<鶏そぼろ西京味噌餡とペポカボチャ>

ハロウィングッズが出回る季節、

店頭にオレンジ色のかぼちゃが出回ることがあります。

こちらはペポカボチャ(おもちゃカボチャ)と言われ、日本人が好んで食べる

ほくほくと濃く甘いカボチャと違って、水っぽく甘みもあまりありません。

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ですが、あえて濃厚な味付けの具と合わせると

両方の味のバランスが取れて美味しくいただけます。

かぼちゃを丸ごとじっくり蒸したあと(できればレンチンではなく鍋か蒸し器で)

中をくりぬきます。

鶏もものひき肉を酒・味醂で炒め煮してから

西京味噌、練り胡麻を和えて、こってりとした餡を作り、

中に入れてスプーンで崩して混ぜながら頂きます。

 

どちらの料理も香り、味付け共に個性ある食材と調味料を選びましたが、

レゾン白は本当に主張し過ぎず、でも存在感を失う事なく、

最後まで心地よく楽しむ事ができました。

みなさんも、秋の夜長に和食と和ワイン、いかがでしょうか。

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■まるき葡萄酒株式会社 HP
http://www.marukiwine.co.jp/

トップページ上でカーソルを動かすと、かわいい羊たちの写真を見る事ができます♪

 

ライター Lucy

 

羊と共に育むワイン…現存する日本最古のワイナリー

 

羊と共に育むワイン…現存する日本最古のワイナリー その一

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実りの秋、美味しいフルーツが次々と旬を迎える中で、

ワイン作りのためのブドウも収穫の時期を迎えています。

この時期にチェックしたい、こだわり生産のジャパンメイド・ワインをご紹介します。

 

まるき葡萄酒株式会社(Marquis Wine)は、

日本ワイン生産のふるさとである勝沼にあり

現存する日本のワイナリーでは最古となります。

こちらの工場見学に行ってきました♪

(どなたでも事前予約で見学可能です!)

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勝沼ICから車で10分弱、ブドウ棚が続く丘陵を走ると、

「もも・ぶどう狩り」の看板がたくさん目につきます。

そのエリアの傾斜地に、可愛らしいオレンジ色の建物が見えます。

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中のショップに入ると、古式ゆかしい看板が。

歴史を感じますね。

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さて、ここからスタッフの方が軽妙な語り口で工場内を案内してくれます。

まずは外に出て、実の選別機、絞り、発酵を行うスペースへ。

ブドウの実や種のエグみが出ないように、完全には絞りきらないそうです。

絞った後の掃除は、見るからに重労働。

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そして建物脇の坂を下り、地下1階にある貯蔵熟成室へ。

入った瞬間、ブドウの果実の匂い、そして独特の酸っぱい匂いに包まれます。

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こちらでは熟成の段階を「ヌーボー・長期熟成・樽発酵・シュールリー」と分けて生産しています。

実は筆者が甲州ワインに惚れ込んだのは、かなり以前に「シュールリー製法」の白を飲んだことがきっかけ。

正確にはフランス語のシュール・リー(オリの上)という意味で、一度発酵させたワインに「オリ」を再度加えて熟成し独特の香りや深い風味をつけること。

ドライ、フルーティー、そんな表現では足りない独特の芳香。

強い食事にも負けない、でも食事を邪魔しない、不思議な魅力のアロマ。

ぜひ試していただけたらと思います。

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さて、こちらの風景は、職人さんが木の棒でオリの沈殿具合を計り

ワインの熟成度を見極めるところ。

この仕事ができるようになるまで、2~3年はかかるそうです。

梯子の上の職人さんは、超!ベテランとのこと。

 

そして樽の木の香りをつける段階の部屋。

なんとも言えない静謐な空気につつまれます。

古代の人々がワイン造りを神聖なものとして考えていたことが納得できる…そんな空間です。

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一旦外に出て、今度は地下2階の貯蔵庫へ。

なぜワイナリーが傾斜地に建っているのか。

すり鉢状の土地は、雨水とともに栄養素が下に流れて底面の畑を豊かにします。

もう一つ、傾斜地に横穴を掘る形でワイナリーを建てることで、

天然の冷貯蔵庫ができるから、というわけです。

 

こちらの貯蔵庫に入ってすぐ、かびの匂いと共に、

タイムトラベルをしたかのような錯覚にとらわれます。

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甲州ブドウでワインを作るなんて無謀だ、と言われ、

だからこそ反骨精神でやりとげた「まるき葡萄酒」先代ゆかりの部屋。

初期の試作品や、門外不出のビンテージまで、こちらで悠久の眠りについています。

秋13

樽熟成を終えたワインは瓶詰めされて、ここで静かに貯蔵されるのです。

天然の冷蔵庫の空気は、しっとり、そして、ひんやり冷たく、

この地がワイン作りに選ばれた理由が体感できます。

 

話題を畑に移しましょう。

ワイナリーの後ろには自社畑が広がっています。

秋14

何種類ものブドウが育っていますが、こちらの写真は

ワイン好きならきっと知っているであろう、カベルネ・ソーヴィイヨンの垣です。

秋15

この品種には目がない筆者…、思わず「いつもお世話になっています!」と

声かけ敬礼してしまいました(笑)

秋16

ブドウ栽培で一般的な手法は、棚作です。

 

甲州ブドウを栽培し始めた黎明期、山梨の土壌は酸性だったそうです。

その状態で垣栽培をしてしまうと、下の方に生った実が雨粒の跳ね返りで酸性土壌を浴びてしまうので、棚が主流になったとか。

今では土壌改良したため、垣での栽培が可能となりました。

 

さて、ここでスタッフの方々と一緒に働いているのが羊達です。

このときはノンビリと休憩中。

秋17

羊と共に畑の育成を計っている理由として、もちろん除草の意味合いもありますが、

・糞による肥料としての役割

・蹄が二股に鋭利に分かれているため、歩いているだけで畑を耕す事となり

土に酸素が入り込んで細菌が活発になる

とのことでした。

動物と共生するということは、土、植物、人への恵みと循環していくものなのですね。

のどかな風景を眺めながら、知識だけではなく体感ができる貴重な時間でした。

 

最後に、かわいいオチを。

「どうして山羊ではなく羊なのか」

ブドウの房にかける紙を食べてしまうから、なのだそうです(笑)。

 

次回のレポでは、ワイン販売ショップの様子や試飲、

実際に買ってみたワインの感想などをお伝えします。

 

■まるき葡萄酒株式会社 HP

http://www.marukiwine.co.jp/

トップページ上でカーソルを動かすと、かわいい羊たちの写真を見る事ができます♪

 

■工場見学についてはこちら

http://www.marukiwine.co.jp/winery/40winery/winerytour.html

 

ライター Lucy