2016.2.26 金曜日

エシカルコンシューマは紙の原料にも配慮する☆「FSCマーク」を知っていますか?


食べ物を選ぶとき、産地や生産方法など様々な観点から吟味するようになった私たち。でも、家具に使われている木材は?毎日使っている紙は?いかがでしょう。無意識に選ぶことで、大切な森が破壊されているとしたら…?ちょっとショック〜ですよね。
 
青く美しい地球。そのきれいな空気を作り出し、厳しい気象を和らげ、多くの生き物の生息環境を守っているのが「森」。その森が年々減っていて、その主な理由が、農地への転用や商業目的の伐採など人の手によるものなんです。特に途上国を中心とした熱帯林の減少が目立っており、切り出された木材の多くは建材や紙の原料として日本に輸出されているのです。
 
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一方、日本では海外の安い木材に押されて価格が下落。結果、植林された森林が放置され、荒れ果てた状態が増えています。放置林が元の原生林になるためには数百年かかるといわれ、その間に森の荒廃や災害などのリスクが。むしろ日本は、森を活用し森とともに生きてきた歴史があり、間伐や枝打ちなどの“手入れ”によって森は生き生きとした姿を取り戻します。
 
熱帯雨林の大量伐採と、日本の森林の荒廃…。そうした様々な森の問題を解決するための国際認証機関として設立したのが、「FSC(R)(Forest Stewardship Council(R)、森林管理協議会)」です。
FSCラベル
FSC森林認証マーク
 
その活動の目的は、【1】森林環境を適切に保全し、【2】地域の社会的な利益にかない、【3】経済的にも継続可能な森林管理を推進すること。森の恵みを享受しながら森を守ることで、未来に森を引き継いでいこうというものです。そうした活動を行っている森や製材所、印刷所などを認定し、そこを通過した製品だけが「FSCマーク」をつけることができます。
 
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FSC森林認証の仕組み:FSCジャパン資料より
 
つまり、このマークがついている製品を購入することは、未来へ森を引き継ぐ活動を支援するということになるわけです。なお、FSCの国際本部はドイツのボンにあり、日本ではFSCジャパンが活動を行っています。
 
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FSCジャパン(https://jp.fsc.org/jp-jp
 
また、パンダのマークで知られる環境保護団体「WWF」もこの活動に賛同し、FSCの普及と推進に取り組んでいます。
 
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WWFのホームページ(http://www.wwf.or.jp/activities/nature/cat1219/fsc/
 
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WWFのオンラインショップにはFSC製品のリストも(http://shop.wwf.or.jp/Form/Product/ProductList.aspx?shop=0&cat=570001&swrd=&sort=2&img=1
 
とはいえ、日本ではまだまだ知られていない存在。欧米、特に環境先進国の北欧やドイツでは80〜90%の認知率を誇るFSCマークでも、日本では「なかなか見つからない」という方も多いでしょう。そこで、FSCマークを探してみよう、FSCマークの製品を選ぼうという消費者の目からの活動「FSC応援プロジェクト」もスタートしています。
 
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FSC応援プロジェクト(http://shitte-erabo.net/)
 
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投稿された様々なFSC製品の写真(http://shitte-erabo.net/notice/
 
また、「FSC応援プロジェクト」サイトが運営しているFacebook(https://www.facebook.com/FSC%E5%BF%9C%E6%8F%B4PROJECT-204177259754209/?ref=ts&fref=ts)では、FSCマークのついた製品が続々と報告されています。たとえば…、
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隈研吾さんのデザインしたmore treesのつみき
 
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エドワード・ゴーリーの猫カレンダーにも!
 
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ボディショップのボディケア用品にもずらっとFSC
 
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メリタのコーヒーフィルターにも。
 
他にも、ネピアのティッシュや、デルモンテのトマトソースなど、いろいろ!
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こうした「FSCのマーク」のついた製品を選ぶことで「未来に森を引き継ぐ活動」を支援することになります。
ぜひ、皆さんも探してみてくださいね。
 
オルガナ編集部