2016.2.5 金曜日

ご存じですか?天然のインシュリン「菊芋」。 イヌリンたっぷりのワイルドなアンチエイジングフードです。


菊芋って食べたことありますか?
菊芋(きくいも)はキク科ヒマワリ属の多年草で、食用とされるのはその肥大した根の部分です。形もごつごつして野性味あふれていますね。でもお味は意外にあっさり、さくさくとして料理にも使いやすい素材なのです。
※ちなみにじゃがいもはナス科、サツマイモはヒルガオ科、イモ類も様々ですね。
さてこの菊芋、北アメリカが原産とされ、日本には江戸時代末期に家畜の飼料用として導入され、「豚いも」とも呼ばれていました。アメリカではエルサレムアーティチョク、ヨーロッパではトピナンブールと呼ばれています。なかなか洒落たネーミング、色も白系と紫系と2パターンあるんです。
第一次世界大戦時にはヨーロッパの人々はとにかく菊芋を植えよう!と食糧確保のため膨大に植えられました。繁殖力も強く荒地でも育つので食糧難のときは特に珍重されたのです。家庭でも実はほおっておいても育つ自給自足向きの食材なのです。
ヨーロッパでは菊芋のスープは冬の定番料理です
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菊芋はヨーロッパでは冬の定番スープです。各家庭によって味付けは様々ですが素材がシンプルなために、ミルクスープでコトコトが基本形。生ではさくさくなのにでんぷんのα化が進むと香り豊かな甘い味に変わります。トマトスープや肉を加えてブラウンソースのバージョンもあります、これはぜひ作ってみたいですよね。
菊芋低カロリーの健康食材 生のスライスならイヌリンもたっぷり。
気になるカロリーはじゃがいもの半分、しかも注目されるのは「天然のインシュリン」といわれる「イヌリン」と呼ばれる多糖類。一般的なイモ類とは違い、デンプンはあまり含まれず生の菊芋には15%前後のイヌリンが含まれています。糖尿病が気になり始めた人達やダイエットを気にしている人にはぜひ注目の素材です。
イヌリンの恩恵を受けたい、とお考えならこうやって生のスライスがおすすめです。
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スライスするとこんな感じ、水分も多くしゃきしゃき感もあります。
 
また菊芋には沢山のカリウムが含まれています。カリウムはナトリウム(塩分)を排泄する役割があり、高血圧に効果があります。また、長時間の運動による筋肉の痙攣などを防ぐ働きもあります。マラソンランナーにも良い食材なのです。
 
糠漬けなら最強のアンチエイジングフード
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また私のおすすめなのが糠漬け。
しっかり洗った後はそのまま糠床にいれるだけ、生のままですから酵素もいかしつつ、乳酸菌も加わりまさにアンチエイジングフード。私は発酵玄米との組み合わせがお気に入り。
コリコリとした生の風味も残って、箸休めにもピッタリです。ゆっくりよく噛んで味わってみませんか?
 
 
こちらはかなり上級?発酵させて黒菊芋
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ちょっと上級者の美味しい菊芋の食べ方もご紹介。炊飯ジャーの温めモードに生の菊芋を入れてください。8時間ほどで驚くほどほくほく、まさに栗の味わいの黒菊芋に代わります。
これはおばあちゃんレシピの応用編。
昔陶器の鍋にいれた菊芋を炭火の中にいれておいた私のおばあちゃんの郷土料理でした。ジャーを利用するのはその代用ですが簡単にできますしおすすめです。風味もぐっと野性味が加わり美味しくなります。焼き芋と焼き栗の間ともいえる風味。本当は炭火で試していただきたいところです。ジャーでぜひお試しを。
 
菊芋、日本では?
菊芋は野生化したものが全国で見られる反面、生鮮食材としてはまだまだメジャーではないようです。ようやく道の駅に行ったときに並んでいるのを見るくらい。健康食品や健康飲料向けに乾燥させたものやそれを粉末にしたものを作る目的で全国各地で栽培されています。長野県内ではいくつかの土地でキクイモの特産化が進められているようです。
菊芋は9月から10月にかけて黄色い菊に似た花を咲かせます。花もかわいいし栽培も至極簡単ですから家庭菜園向けです。私は軽井沢でも根茎をわけていただいて栽培しています。暑くても、寒くても栽培容易な点もうれしいですね。11月以降に掘り出し可能ですが植え付けの最初の年は掘り起こさずにそのまま休ませてあげてくださいね。
皆様も菊芋で素敵なアンチエイジングフードライフを!
written by 青木淳子(アンチエイジングフード協会理事)