2016.07.06

【海外オーガニック事情】 デメター認証のドイツのビオダイナミック農場 「グラッサーホフ」を訪問しました♪

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ドイツには多くの見学可能なビオダイナミック農場があります。

ドイツ・オーストリアBIO HOTEL&サステイナブルカルチャーの視察ツアーも3日目。

今日は南ドイツ・フュッセン郊外のダニエルさんのビオダイナミック農場「グラッサーホフ」を訪問しました。

世界一の認定基準 demeter

グラッサーホフ12

こちらの「グラッサーホフ」は『デメター』認証農場。

『demeter(デメター)』認証とは、かのシュタイナー博士が提唱した「ビオダイナミック農法」の作物や製品に与えられる認証で、 種、苗、土壌育成、加工、保存、包装、流通に至るまで、細かい基準があります。環境保護、安全性、農産物の生命力を最大限に生かす方法であるかどうかまで問われるという、世界で最も基準が厳しいオーガニック認証の1つとも言われています。

 

作り手側の歓びとビジネスが共存するビオ農場

グラッサーホフ2

オーナーのダニエルさんは気さくな人柄、野菜に対しての愛情も人一倍です。

ここ「グラッサーホフ」は2008年からビオダイナミック農法を開始、標高は800メートルで、主にヨーロピアンレタスを数種とナス、ズッキーニ、きゅうりなど日常のサラダ用素材を得意としているそうです。アルプスの麓では、土そのものが豊富な有機物に富んでいるわけではありません。ビッケという豆植物や小麦などで3年は土壌改良に時間をかけ休ませてから育てています。

グラッサーホフ3

自然栽培系の方法だとマルチは行わないのが一般的かもしれませんが、こちらではジャガイモ・とうもろこしで作られた自然還元のシートを使って、地温や雑草への対策を行っています。マルチといってもビニールではありません。

グラッサーホフ4

夏は25以上、冬はマイナス20度にもなるということですから、環境的には軽井沢に似ていますね。
こちらが土壌改良用に植えられているビッケ。名前も花も可愛らしいです。

グラッサーホフ5

当初、経営的に大変だった時期もあったとのことですが、今ではデメターの安定的な野菜供給を行うため、バイオガスで温熱供給できるシステムを導入しています。
このシステムを導入し、安定的な生産がより可能になったということでした。
こちらがハウス内のバイオガスで温めた湯を循環するシステム。冬の極寒の中でも作業ができるそうです。バイオガスとは、ドイツでは一般的になった糞を利用した再生エネルギーシステム、ドイツではおよそ3000か所にも上るとか。小さい規模の家族型農家の方でもグループで共有するなど、最近では農家の一般的なエネルギー自給システムになったとか。ちなみにダニエルさんの「グラッサーホフ」では灯油は買わなくて済んでいるそうです。

グラッサーホフ6

ハウス内を見せてもらいました。雨が少ない南ドイツ、防虫と病気予防にはあえて虫には苦手な虫を使って対策を摂っています。コンパニオンプランツの虫版というところでしょうか。小さな虫がはいっていて、野菜を食べるより袋内の虫に集まり捕獲されてしまうそうです。すごいっ!

グラッサーホフ7

ハウス内のきゅうりを収穫するために新に導入したという収穫用レール。
「背の高いきゅうりだから作業はだいぶ楽になったよ」とダニエルさん。

グラッサーホフ8

こちらはビオの苗です。日本では自家採取がビオ農家のルール的な印象がありますが、デメター農業のさかんなドイツでは、多くの需要にこたえるために効率性を重視して、ビオランドというビオ専用の苗屋さんから苗を購入しているそうです。
そもそも、ビオの苗屋さんが存在していること自体がすごいですね。

グラッサーホフ9

こちらはハウス内のナス。立派で背も高いですね。苗をつるす作業は一本一本手作業だとか。

グラッサーホフ10

敷地内はアヒルさんも横断、作業中もほっとする、のどかな雰囲気です。

グラッサーホフ11

農園内には直売所もあります。「demeter」としっかりマークのはいった新芽野菜は、最近人気も高いとか。ドイツの消費者のみなさんも健康情報を勉強されているので、ニーズに合わせて栽培計画を立てるのも勉強になるそうです。

今回、ドイツのデメター認証の農園を訪問で思ったことは、農家さんにとってもビオビジネスはしっかりと確立されており、需要がある産業だということ。
日本のように作ったはいいけれど、高くて誰も買ってくれないなどの心配はかなり少ないのです。とはいっても、「技術がいるし、初期投資もかかる、何よりも野菜に対する愛情をかけないと、ビオとはいっても育たないんだ」とはダニエルさんの言葉。

ドイツでは農業マイスターの称号もあり、国が認めるマイスターが希望者に農業トレーニングを行うシステムがあります。またご近所同士のビオ農家同士でフォローし合うという習慣もあるのだとか。
こんな風に、新規就農を応援するシステムがあるのもうらやましく思えました。
早く日本でもこのようにビオの需要が高まり、作りたい人、買いたい人、応援したい人の母数が、もっともっと広がっていくよう、仲間を増やしたいですね♪

Grasser Hof GBR Wenglinger Str.2 84648 Airtang

この記事を書いたORGANAキュレーター

青木淳子
青木淳子
・オルガナ代表
・(社)日本アンチエイジングフード協会常任理事
・青山エルクリニック事務長
長野県中条の裏山、畑、田んぼ付きの古民家「美園居」で週末里山暮らしを実践。美しき自給自足生活を目指す。
ブログ:青木淳子の信州スタイル~花園居(かぞおのきょ)の週末暮らし~
http://blog.kazoonokyo.com/
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