2020.2.18 火曜日

サッカーマム必見!本当のアスリートのための栄養とは

 「サッカーマム」とは、アメリカで子供にサッカーを習わせる教育熱心なアッパーミドル階級の母親のことを指す言葉。

バスケットボールやアメリカンフットボールがさかんな国で、なぜサッカーを自分の子供にさせたいかというと、サッカーというチームスポーツを通じて、人間関係の構築に大切な協調性を身につけさせたいから。教育熱心な母親がサッカーを習わせることが多く、ついた名前だそうです。

そんなサッカーマムに問いたい、サッカー選手のために本当に必要な栄養学とは何でしょうか?
サッカーの本場ドイツのサッカー・ブンデスリーガ(サッカー連邦リーグ)・VfBシュトゥットガルトのコーチを経て、プロサッカー指導者となった河岸貴さんが主催し、日本オイル美容協会代表、オイルの第一人者YUKIEさんが講師となって開催されたのが「サッカー選手のためのスポーツオイル栄養・美容学」講座にいってきました。
サッカーにオイル?栄養?美容?と侮るなかれ。

スポーツ選手のための栄養学

 実はサッカー選手をはじめ、これまでのアスリート栄養学の考え方はマイナスから0への発想。本当に必要なのは0からプラスにする発想とYUKIEさんはいいます。それはつまり怪我や病気を未病にふせぐ予防医学の発想。そして医学的根拠のある可視化検証されたデータをもとに、選手がもつ本来の一人一人の体質やスポーツの種類、そのスポーツにおけるポジションまでを考慮にいれた、個人化したスポーツサイエンスが必要なのです。

 サッカーにおいても、選手のポテンシャルは

●スプリント力(スタミナがある)
●コンタクト力(衝撃緩衝に強い)
●リカバリー力(回復が早い)  
の3つのバランスがとても大切だそうです。

それはポジションにより、大きく変わります。

これらのポテンシャルに必要な栄養はそれぞれ

●スプリント力→エネルギーをつくるもの
●コンタクト力→カラダをつくるもの
●リカバリー力→カラダの調子を整えるもの      に分かれます。

それぞれを糖質、脂質、たんぱく質という3大栄養素で摂取していくわけですが、意外と注目されていなかったものが脂質。脂質は「しなやかで頑丈なカラダ」をつくるためには実はキーなのです。

脂質の重要性

 骨格も筋肉もすべては細胞の集まり。人間の最小単位は「細胞」。人一人のカラダには37兆個以上の細胞があります。細胞を覆う細胞膜は「脂質」が主成分。さらに自立神経、免疫、ホルモンにおいて脂質は「カラダの調子を整える」細胞間のシグナル分子=メディエーターの役割を果たしています。ビタミン・ミネラルの重要性はよく知られているものの、脂質はどこか悪者。でも、重要な役割を果たしているのです。

 それは不飽和脂肪酸オメガ3と6のバランスがとても重要であることがわかってきたから。体内に存在する30種類の脂肪酸のバランスを可視化することで、自分にどういう種類の脂質が足りないのかがわかる体内の「脂肪酸検査」のおかげです。とくに体内において自分で生成できないオメガ3はとても重要で、その中でも脳への情報伝達をスムーズにするDHA(ドコサヘキサエン酸)、炎症作用を起こすオメガ6系のブレーキ役のEPA(エイコサペンタエン酸)は大きな役割をはたしています。

 オメガ3系脂肪酸は怪我や筋肉疲労の回復、炎症抑制、持久力向上、メンタルケアに有効で、悪者扱いのオメガ6系脂肪酸も炎症促進はするものの、止血促進、臓器収縮など重要な役割を持ちます。注目の中鎖脂肪酸はエネルギー代謝、記憶力向上、疲労改善などの効果があります。どれか一つ欠けてもだめ、すべては自分の今の状態に最適なバランスを、食やサプリメントからとり、自分のカラダをデザインしていくことが、コンマ1秒の動きを追求するアスリートには特に求められているのです。

サッカー選手の現状

 アスリートのカラダはとかくBMI(体脂肪率)で測られがちですが、実は海外の一流選手は平均値以上の数値を持つ選手がほとんど。ポジションによりですが、コンタクト力をもとめられる選手ほどBMI多めが普通です。それに比べ、日本の選手はBMIは低め。スプリント力はあるけど、コンタクト力に欠けるというわけです。

 日本のサッカー選手に食習慣を聞いてみると肉が95%、魚5%。しかも肉の90%はカラダによいとなんとなくおもわれている鶏肉。鶏肉は実はアラキドン酸というオメガ6系の油が多く、しかも魚からのオメガ3系の摂取が見込めないため、炎症の抑制や筋肉疲労の回復は望めません。 補色もプロテインやおにぎり、ヨーグルトやバナナ、ナッツという人が多いそう。なんとなく健康そうに見えるこの内容も、ほぼオメガ6系の飼料で育ったもの。あきらかにオメガ6に溢れています。単純に肉を食べることが悪いというわけではなく、何を食べて育った肉なのかが重要なのです。実はサッカー選手こそ、肉食の洋食より、魚中心で良質な脂質が含まれるおかずをメインとした伝統的な日本食をとるべきなのです。欧米の一流選手もサーモンなどの魚料理を食べているそう。日本人にはおなじみのマグロのお刺身も食べ過ぎて残留水銀には注意ですが、オメガ3が豊富です。 ちなみに牛肉を食べるならグラスフェッドビーフを(最近はNZ産が安全で買いやすいです)。

最先端のアスリート栄養学

 最先端のアスリート栄養学に必須なのが、オメガ3インデックス。体内のオメガ3の%を調べ、リカバリーや炎症抑制のための基礎力を知ります。理想値は12.55%ですが、日本のサッカー選手はなんと7.08%。

さらに最先端なのはオメガ3の1種EPA(エイコサペンタエン酸)と前述の鶏肉に多く含まれるAA(アラキドン酸)の比率を示すEPA/AA比。0.67~0.75が基準値でヨーロッパでは0.3以下はEPA製剤が処方されるほどですが、日本の選手はなんと0.17~0.19。怪我が多く、疲れやすいのは当たり前なのです。
EPAは炎症を抑える力が強いため、回復力を高め、筋肉疲労を早くとり、ベストパフォーマンスを発揮するためにこの値は重要視されているのだそうです。

このアラキドン酸の多い鶏肉主体のアスリート食は、オメガ3と6のバランスが大きく崩れ、若年性の心筋梗塞を起こしやすくしているそう。部活中の心不全や心筋梗塞の不幸なニュースがそういえば目につきますよね。

こういった新しい栄養学に基づいた数値を利用し、アスリートパフォーマンスを上げていくには、脂肪酸検査で今、自分に足りてないもの、取りすぎているものは何かを知ることが最も近道です。

なぜだかベストパフォーマンスが出てこない、こんなにがんばっているのに・・・そんなサッカーマムには、ぜひスポーツサイエンスの最先端検査からアプローチをしてほしいです。

特に成長期のお子さんは、アスリートだけでなく、何かが足りていないかも。
親世代においては最近増えている若年性認知症や血管病予防にもつながります。まずは、検査。
そして毎日の食事から変えていくのがベストではありますが、食事からでは補いきれないEPAやDHAなどのオメガ3はサプリメントでも積極的に摂っていってほしいそうです。

●脂肪酸検査は一部医療機関でも実施されていますが、自宅で簡単にできる自己採血脂肪酸検査キットもありますので、検索してみてください。
日本リポニュートリション協会 でも取り扱いがあります。

●良質な脂質についてのカウンセリングは オイルファーマシーがおすすめです。