2019.8.6 火曜日

能登 塩と発酵の旅 その一

石川県といえば金沢が有名ですが、能登半島は1/3富山県で2/3石川県。北陸新幹線の終点、金沢の一つ手前、新高岡駅から能登半島に登っていくエリアは実は塩と発酵の文化が根付いた古い町並みが残っています。今回は日本アンチエイジングフード協会のゼミ旅行「塩と発酵の旅」に同行し、協会理事長の白澤卓二先生と共に、日本が誇る伝統食、塩と発酵の産地を巡りました。

こんか漬けで有名な柿太水産へ

東京駅7:52の北陸新幹線はくたかにのり、新高岡へは10:48に到着。
新高岡から氷見は車で30分ほど。氷見漁港からほど近い住宅街の中にひっそりとあるのがこちらの知る人ぞ知る柿太水産さん。

こんか漬けとは氷見でとれた新鮮な魚、かたくちいわしやまいわし、ブリなどを塩漬けし、ぬか、米麹、自家製甘酒、唐辛子をまんべんなくまぶし、老舗の味噌やさんから譲り受けた酵母たっぷりの杉樽に漬け込み発酵させたもの。

味見をすると、魚の旨味が凝縮して、まるで日本のアンチョビ。その滋味深い味に思わず「冷酒ください!!」と叫びたくなるほど。


作り方の説明も丁寧にしてくださいます。


味見したら、あまりの美味しさにもちろん大量買いは避けられません。

こちらのブリキのイワシが目印の柿太水産さんは、富山県氷見浜の魚にこだわり創業100年あまり。
現在は5代目の柿谷正成さんご夫婦と6代目のお嬢さん柿谷政希子さんが継いでらっしゃいます。
年に一度の樽開きには、日本中から発酵食好きがあつまり、発酵博士の小泉先生もいらっしゃるそう。

煮干しももちろん秀逸で、普通添加物だらけの加工品も、無添加にこだわり丁寧につくってらっしゃるので、とてもファンが多いのです。
インターネット通販にも力をいれてらっしゃるので、おとりよせも可能なのがうれしいですね。

柿太水産 http://kakita-himi.net/

富山でしか食べられない白エビ


富山といえば県外不出の白エビ。
白エビの握りと富山でとれた豊かな海の幸をお寿司でいただきにいくのがマストです。

 

 

 

 

 

 

 

 


海の幸づくしのお昼の逸品。じつは突き出しででた富山産のもずくも絶品でした。白みそのあら汁もやさしいお味。
昼からビールがすすみます♪

輪島の塩へ

昼食を済ませ、向かうのは輪島。
能登半島は広いのです。北海道なみ。氷見から輪島までは2時間半のドライブです。
輪島といえば塩作りで有名な場所。朝ドラの「まれ」でも有名になりました。


まずは「塩の駅輪島塩」へ。

 

 

 

 

 

 

 

ここでは昔ながらの揚げ浜式での塩つくりが行われています。そう「まれ」のおじいちゃんがやっていた、砂の上に海水をまく方法です。塩畑は粘土質の土壌の上、2センチだけに砂。その砂に海水をまき、乾燥させます。乾いた砂を集め、タレフネとよばれる箱に詰め、上からさらに塩水をかけて塩分だけを塩から洗い流し、それを煮詰めて塩だけを分離していく方法です。

リアルまれのおじさんが説明&デモをしてくださいます。海水を塩田にまく体験もできますが、全然上手くまける気がしない・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

次はアンチエイジングフードマイスターリーダーでもある榎本三奈子さんの「わじまの海塩」へ。
彼女はわじまの塩に惚れ込み、それまで勤めてい大手企業を退社。管理職のポストを捨て「株式会社 美味と健康」を起業し、輪島に単身移住しました。

有名シェフが惚れ込んだ絶大なファンも多い「わじまの海塩」の加工場にお邪魔します。
こちらでは能登沖50キロ北にある舳倉島の綺麗な海水のみをつかって、ランプと風の力で塩を結晶させていく方法での塩作り。
低温結晶させるため、普通の塩よりミネラルがイオンに戻りやすく、素材になじみやすいのが特徴で、ナトリウムとマグネシウムのバランスが血液に近いそう。お漬物などにすると乳酸発酵がはやいといわれています。結晶がとても綺麗でした。

わじまの海塩 http://wajimanokaien.com/

同じ塩でも作り方によって、こんなに味が違うものなのだと改めて気づく塩巡り。
そしてどれも気が遠くなるほど、大変な作業で出来上がるものです。

途中「白米千枚田」に立ち寄ります。能登ならではの狭い土地を最大限に生かした田んぼがとても綺麗でした。

まるで沖縄のような透明度の高い綺麗な海ですが、ここは日本海。冬はとても厳しい海に豹変するのでしょう・・・。

発酵の旅は翌日に続きます。