2019.10.29 火曜日

【Hawaii Big Island Report】Old Hawaiiをヒロで味わう

ヒロはハワイ島の東側。
いわゆるワイコロアやコナという観光メジャーな場所からは、マウナケア、マウナロアなど山を越えた向こう側。
気候も乾いたワイコロアと対照的に雨が多い。
コナからヒロにいくには北の霧のワイメアまわりか、南周り、もしくは保険適用外だったサドルロードを通るしかなかったが、近年ダニエル・K・イノウエ ハイウエイが開通し、そのアクセスは驚くほどよくなった。
ジェットコースターみたいなアップダウンのサドルロードをチャーターで通るのも楽しかったのだが・・・。

国立天文台TMT問題

イノウエハイウエイはマウナケア観光の入り口であるオニツカセンターへ上る道があるところだが、今、マウナケア山頂に登る1本道はTMT反対運動のテント村により閉鎖され、かろうじて州警察の交渉により、天文台職員が通る道だけは確保されたそうだが、新天文台工事関係者と観光ツアーのすべては、マウナケアに登ることができない状態だ。
(TMTとは国立天文台TMTプロジェクトで、地球型の太陽系外惑星に生命の可能性を探り、時空の彼方にある宇宙最初の星や銀河を観測することを目的として、492枚の鏡をつなぎ合せる口径30mの反射鏡をもつ巨大望遠鏡ドームをつくり、レーザーが作る人工的な星で大気のゆらぎを補正する驚異の技術で観測するというもの。現地では元々マウナケアはハワイアンの聖地。観光資源化にはハワイアンの反対も強い。これまで5機の各国の天文台が作られてきたが、ハワイアンとの約束はそこまでで、さらに1機を作成することに対しての反対運動がメインだが、それに政治的な要素が加わり、マウナケア入山口に住民たちがバリケードをつくり、マウナケア閉鎖という事態になっている。)
一見、フェスかお祭りかという建設反対運動テントを横目に、イノウエハイウエイをひたはしると1時間半ほどでヒロの町に到着する。

 

ファーマーズマーケット

街にはいるとまずはヒロのファーマーズマーケットへ。
オーガニックな地元産の野菜や果物がたくさんある。
日系人が多いので、ねぎやしょうがなど日本でもおなじみの野菜に出会える。
ファーマーゾーンをぬけると現地のアーティストたちが出すテントに、アロハやアクセサリー、アートなどがたくさん並ぶ。
今回注目していたのは、先の火山噴火で多くの住民が焼け出されたパホアに住むNancy Davis Designsのアクセサリー。
半貴石やスワロフスキーを使い、14Kベースの作品はハワイらしいナチュラルさもあり、都会のスタイルにもある使いやすいデザインが目を引くアーティストだ。

ホロホロと歩く・・・はヒロのためにある言葉

ヒロには日系が多く、アンティークやビンテージ、ある意味ガラクタ的なものを扱うショップが多い。
ユースト好きの息子に付き合いはじめて隅々までまわってみると、50年代―60年代のビンテージや、シグセーンのアロハまでもが市場に出ていることに驚いた。なかでも目を引いたのがメリーモナークの記念Tシャツ。様々な年のもの出ていて味のあるデザイン。
これはコレクターがいるだろうなぁ。
新しめのヒロブランドショップもかかせない。
ヒロといえばシグセーン。
独自の植物柄とグラフィカルなデザインで有名なシグセーンは、ひときわハイブランド感をさらに漂わせていました。

シグセーンの妹さんのミッシェルさんのハナホーは、10年ほど前シグセーンさんに紹介いただき、取材にいったことがあるのだが、いつのまにかハワイの伝統的手工芸ラウハラのショップとなっていた。
コナ側で有名なキムララウハラと東西をわけている感がある。それもそのはず流派が違うらしい。(と今回教えてもらった)
自作の山葡萄マルシェバッグをもっていたので、ミッシェルさんと籠weaver談義に花が咲き、なにか一つ帽子でも買ってこようかと思っていたが、あまりに高いので材料を売ってもらってきた。

ラウハラは植物なのでそのままだと日本に持ち込み事はできないそうだが、ここのはもうすぐに編めるように加工されているので大丈夫だそう。「帰って籠バッグをつくったらSNSで送るね~」といって、秘伝のテキストも譲っていただき、さらにラウハラをカットするための刃(なんとサージカルナイフ)もプレゼントしていただいた。こんなweaverなご縁も嬉しい。

 

 

聖水の湧くヒロ湾

ハワイ島のコナ側には川がない。
なのでマウナケア、マウナロアに降った雨水は、地下を通り海に湧水として湧いている。
それは昔から聖水といわれて、古い王達は好んでそういう場所に住み、ヘイアウも建てた。
また塩水ではないので聖水が湧き出る場所には特有の海藻が生え、海亀はそれが大好き。
だから海亀が毎日食べている岩場あたりには聖水が湧き出ていて水が冷たい・・とローカルの友人に教えてもらった。
島の土壌はほぼ溶岩のため、雨となって降った水は溶岩の隙間を通り、じつは海岸線のそこここに湧き出ている。
日本でいうと静岡の柿田川湧水群みたいな?
そういう場所は風水的にいっても水龍の通り道でパワーがあるといわれているけど、ここまでハワイ島中にあると・・・(笑)
海中湧水はコナ側だけかと思ったら、ヒロにもあるというので、ツアーガイドの船着さんに連れて行ってもらいました。
なんとすぐ横にはクルーザーが泊ってる!
それもそのはずここはWailoa Boat Harbor。山の雨の多い時期は軽い噴水なみに水が湧き出ているそう。
湧水地の空気はどこもなんだか冷たくてすがすがしいのだけど、ここもなんだかそんな感じ。
古き良きハワイを残したヒロ。
ホロホロ歩きにつかれたら、ふらっとハワイ島の水龍にご挨拶もいいかもしれません。